

オーストラリアの政治制度は、イギリスと北アメリカの経験を反映した議会制民主主義ですが、オーストラリア独自の特徴も備えています。
連邦議会は下院と上院から成る2院制で、議員は選挙によって選出されます。
下院で過半数を獲得した政党(あるいは複数の連立政党)が政権を持ち、閣僚は両院から任命されます。
オーストラリアはカナダと同様、独立国家ですが、英国のエリザベス2世を国家元首とする立憲君主制を維持しています。
女王はその代理として、オーストラリアに連邦総督6州の総督を任命します。
連邦総督は、首相の助言に基づいて各大臣を任命し、慣行によりほぼ全ての事柄について、大臣の助言に基づいて行動します。
オーストラリアには、英国と違い、米国のように成文憲法があります。
この憲法は、外交・通商、国防、移民などの連邦政府の権限を規定しています。
連邦政府の管轄に属さない事項については、州、準州、特別地域が責任を持ちます。
現在、閣僚は30名ですが、そのうち17名が閣議に参加する閣内大臣(Cabinet Minister)で、閣議には常に参加します。
13名は閣外大臣(Outer-Cabinet MinisterまたはOther Minister)で、その大臣が担当する議題が取り上げられる場合のみ閣議に参加します。
これは閣僚30名全員が参加するよりも必要な閣僚のみが参加して閣議を効率的に行います。
内閣は議員内閣制あるいは「責任」内閣制といわれるもので、英国の方式を踏襲しています。
下院で多数を占めた政党もしくは政党連合が政権をとり、首相を含めた閣僚を出します。
閣僚は全て議員でなければなりません。
首相は下院から選出されるのが普通です。
政権党が下院の過半数を制しなくなった場合には、内閣は選挙を行うか総辞職しなければなりません。
上院では過半数を制する必要はありません。
英国伝統が反映し、オーストラリアでは野党(現在は自由党・国民党)が影の内閣(Shadow-Cabinet)を組織して、影の内閣の閣僚ポストを現政権(労働党)の閣僚ポストに対応しておかれる。
連邦議会の権限はオ−ストラリア連邦憲法に成分化されています。
憲法は上下両院の承認を得て行われた国民投票において、6州中4州で過半数をとり、更に全国の総投票者の過半数から支持されなければ変更することはできません。
国民投票を実施、修正された条項が、両院のいずれかで否決された場合には、国民投票を布告する権限を総督に与えています。
連邦議会と連邦政府の行使できる権限は限定されていて、それ以外の権限は州に属しますが、対立した場合には連邦法が優先します。
連邦議会は下院と上院の二院制をとっています。
下院は英国の下院に似ていて、伝統的に上院より重要視されています。
憲法は下院議員の定数を、できる限り上院の2倍に近くするように規定しています。
現在の下院議員数は合計148名で議員の任期は3年です。
上院は米国の上院に倣ったもので、各州同数(12名)ですが、首都特別地域と北部準州は各2名で、総数76名です。
任期は通常6年で、3年毎に半数が改選されます。ただし首都特別地域と北部準州の上院議員の任期は、下院と同じく3年で、下院が解散されると任期が終わります。
上下両院が同時に解散した場合には、全ての上院議員が辞職し、改選されます。
この場合任期は各州上位6名が6年、下位6名が3年です。
オーストラリアには4つの主な政党がありますが、与党は自由党と国民党の連立で構成され、自由党は民営企業支持をうたっており、国民党は保守派とみなされています。
労働党は労働組合運動から生まれた政党です。
地方党は伝統的に地方に根強い基盤を持っています。
1977年に結成された一番新しい民主党は中道派です。
18歳以上で市民権を持つ全てのオーストラリア人は、選挙人名簿に登録されて、1924年以来強制投票制(Compulsory Voting)で投票が義務づけられ、正当な理由なく棄権した場合には罰金が課せられます。
この世界でも珍しい制度によって投票率が90%を超えるほどに上昇しました。
立候補国会議員に立候補するには、年齢が18歳に達したオーストラリア市民権の保持者で、有権者6人またはそれ以上による指名を必要とします。
供託金は、第一位優先票の4%が獲得出来ない場合、没収されます。
オ−ストラリアの選挙は、国政選挙も州選挙も共に、優先順位付き連記投票制(Preferential Voting System)という特殊な投票方式を採用しています。
投票は、候補者の名前を列記したリストに、優先順に候補者全員に番号をつけて行います。